絶対に離れない。”愛”を教えてくれた指輪の物語。

一人の男性の物語が、「愛」というものを教えてくれました。

 

プアアリでは、ハワイアンジュエリー以外のジュエリーのお修理も受け付けています。
他店で受けてもらえなかった、というお修理もいくつもお直ししてきました。

大切な人にもらったもの、思い出のあるもの、お修理して大切に使っていきたい。そんな”想い”を持ち込んでくれます。

 

ある日、一人の男性からお電話がありました。70代くらいでしょうか。
「指輪が抜けないので外してほしい!指に傷がついてもいいから。」

もちろんリングを切断する器具を置いているジュエリーショップもあるのですが、
いちショップスタッフが扱うには危険を伴います。
そんな場合は、お近くの消防署で外してもらえるので、ご案内しました。

 

さっそく指輪を抜いてもらったそうですが、
指輪を抜くだけではなく、その先があったのです。

 

話を聞くと、”奥様の指輪と自分の指輪を鎖状に繋げてほしい”との事でした。
なんでだろう、身に着けずに閉まっておくのかな・・・とそのまま聞きました。

すると、
亡くなった奥様の指輪とご自分の指輪を、絶対に離れない様に加工し、
当時お二人が挙式を挙げた教会の近くの湖に置きに行く。
とお話してくれました。

 

私たちは、全力で引き受けました。
少しでも力になれたらいいなと、
こうやってお話をしていただく事も、きっと何かの役にたっているのかなと思いました。

ただ、”かたち”がなくなってしまうのは、人間寂しいものです。
何か、見る事で、触る事で、当時を思い出せたり、
一瞬でもその時に戻れたりするのではないかなと思い、

身に着けていた思い出の指輪は、思い出の地に収めて、
その代わりに、”かたち”として残せる指輪をお作りする事を提案しました。

 

シンプルで彫りも入っていないプラチナのリング。
今度は一本にお二人の想いを詰め込んで・・・
これからの人生の支えになってほしいと思います。

 

今回、一人の男性が歩んできた物語を通して、
想い変わらず人を愛する事。
一生をかけて愛し愛される事。
色々な事を教わりました。
こんなにも愛されている事を一番に伝えたいのは奥様です。
素敵な人に巡り合い、素敵な人生だった事でしょう。

 

紳士的で気風の良い、素敵な男性とのお話でした。